火事が起こった時にも安心な金庫がある

金庫には、解錠がややこしかったり泥棒に持ち去られにくいという防盗性能に優れている金庫だけでなく、火事が起こった時にも安心な耐火性能に優れている金庫などもあります。その耐火性能についても、どの程度の耐火性能があるのかがすぐに判断できるように耐火性能が表示されています。例えばJIS規格では、1時間の耐火性能と2時間の耐火性能、さらには3時間の耐火性能というように、金庫を見ればすぐに耐火性能がわかるようになっています。

ちなみにJIS規格というのは、日本工業規格を横文字で表したものですが、そのJIS規格の元にもなったとされるUL規格と称する製品の安全試験や認証機関が定める規格がアメリカにはあります。そのアメリカのUL規格で合格をしたという耐火金庫の場合、日本のJIS規格を遥かに上回る3時間の耐火試験に合格した金庫や4時間の耐火試験に合格した金庫、あるいは急過熱と耐衝撃試験に合格した金庫などUL規格合格の表示がされています。

ところで耐火金庫の仕組みについては、何も知らない方にとっては単なる鉄製の頑丈な箱程度なのかもしれませんが、耐火金庫の場合には火災の際に金庫の中がかなり高温になるために、温度上昇を抑えるような構造になっているようなのです。どのような仕組みで温度が抑えられるのかと申しますと、気化熱の原理を応用して金庫内の温度上昇を抑えているのです。例えば金庫の外壁の大部分には、発砲コンクリートと呼ばれる材料が使われておりそれ自体にも相当な断熱効果があります。さらに、金庫を製造する工程においてもその発砲コンクリートには、予め水が含ませてあるため火災が発生した際には、発砲コンクリートから発生する気化熱が内部の温度上昇を抑えてくれるという仕組みになっています。その他にも今日では金庫を製造するメーカー各社が、独自に開発をした特殊な断熱材が使われている耐火金庫も数多く市場には出回っています。