最近、近所のマンションで火事が起きた。不幸中の幸いというか、亡くなった人はいなかったようだけど、けが人は何人かいたらしく、テレビのニュースでもやっていて、普段平和なこの地域ではちょっとした騒ぎになった。物騒だなーなんて思っていたら、友人の家でもボヤ騒ぎがあり、消防車が何台も駆けつける始末だったそうだ。よく交通事故を見たら、自分が交通事故に逢う前の警告だとかいうけれど、こんな風に立て続けに周囲に火事が続くと、次は自分の番だと警告されているような気がして背筋が寒くなる。
もし、自分の家で火災が起きたら、あれとあれとあれを持ち出して、なんて今は冷静に考えられるけれど、実際に起きたらそううまくはいかないんだろう。
昔通っていた英語塾の先生の家の近くで火災があったとき、慌てて外に出た先生の手に握られていたのはディズニーランドの年間パスポートだったなんて笑い話にできたのは、先生の家も先生も無事だったからだ。いざとなったら私だってわけのわからないものを持って逃げてしまうかもしれない。とっさのときに私の手に握られているのは財布でも鍵でもスマホでもなく、後で食べようと取っておいたプリンなような気がしてならない。いや冗談抜きで。
そう、火事の時にそれだけ持って逃げられる手提げ金庫なんてあったら、是非欲しいものだ。普段から貴重品をそこに入れておけば防犯上も安心だし、貴重品はいつもそこに入れるという意識を毎日持っていればきっと逃げ出すときにその金庫を思い出すはずだ。ディズニーランドの年間パスポートだってそこに入れておけば完璧である。さすがにプリンは入れられないけれど。